これまでの経済学では、人は合理的に行動するものと考えられてきた。だが、本当にそうだろうか。本当はおなじ味でも、雰囲気のいいカフェのコーヒーにはファストフード店のコーヒーより高いお金を払っていないだろうか?また、上等の靴下が必要だったのに、一足ぶんおまけされていた安物の靴下を買ってしまったことは?そう、人は不合理な行動をとるものなのだ。経済行動に大きく影響しているにもかかわらず、これまで無視され誤解されてきた、人の不合理さを研究するのが、行動経済学という新しい分野である。ユニークで愉快な実験によって、人がどのように不合理な行動をとるのかを系統的に予想することが可能になっている。また、「おとり」の選択肢や、価格のプラセボ効果、アンカリングなど、人の理性を惑わす要素を理解するとき、ビジネスや投資、政治の世界でも、驚くほどのチャンスがもたらされるのだ。行動経済学研究の第一人者がわたしたちを動かすものの正体をおもしろく解説し、話題になったベストセラー行動経済学入門に、新たに2章を書き下ろし、刊行後の反響を受けた考察を追加した増補版。
【目次】 相対性の真相/需要と供給の誤謬/ゼロコストのコスト/社会規範のコスト/無料のクッキーの力/性的興奮の影響/先延ばしの問題と自制心/高価な所有意識/扉をあけておく/予測の効果/価格の力/不信の力/私たちの品性について その1/私たちの品性について その2/ビールと無料のランチ